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【五輪ソフトボール】上野由岐子に涙し後藤希友(みう)に身震いしたオリンピック

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野球じゃないんですけど、ソフトボールの話。

オリンピックのソフトボール日本代表が、2021年7月25日にカナダ代表と対戦しました。

カナダは世界ランク3位、日本は2位。

ランクは日本が上とはいえ、誤差とも言えるレベルです。

日本が勝てば銀メダル以上が確定する試合。

この試合を子供たちと…あと父親と一緒にテレビ観戦しました。

父親が言います。

「若いピッチャーがすげーぞ。」

ふーん、そうなんだ。

39歳上野由紀子が当たり前のように投げている

https://youtu.be/Z5BBu24vZEU

なんか涙出ましたね。

 

上野が五輪に初参戦したのは2004年アテネ。

ただ、その時の実質的なエースは高山樹里選手。

恵まれた体格の高山選手に対し、上野はぶっちゃけなんか細いねーちゃんやんみたいな。

本当にすごいんかいな?と思ったら、世界でも恐れられている好投手とのこと。

実際に投球を見たらすんげぇ。

 

そして、本当に世間に名前が知れ渡ったのは2008年北京五輪でしょう。

最後の3試合を1人で「413球」投げきり、見事に金メダルを獲得しています。

ところが、ソフトボールは「世界的に普及しているとは言いがたい」として、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ大会五輪競技から除外されてしまいました。

当時、30歳に差し掛かろうとする上野選手にとっては、モチベーションの維持が相当にきつかっただろうと想像します。

だって、30歳を超えてくると体力的には間違いなく下り坂です。

 

経験や技術で円熟味を増してくるスポーツ選手はたくさんいますけど、そこに体力が加わったらもっと活躍できるのは間違いないはず。

オリンピックが全てではないとはいえ、大きな目標の1つだったことは間違いないでしょう。

そんなモチベーション維持がきつかったであろう時期を乗り越え、さらに1年の延期を乗り越えて、東京五輪で一時的に復活したソフトボールの大舞台で上野は冷静に、かつ淡々と相手バッターを討ち取っていきます。

 

相手のバット(金属)をへし折る

上野の豪腕は全く錆びついていませんでした。

2回1死までノーヒット、フォアボールなしのほぼ完璧な立ち上がり。

2回1死から打たれたヒットで出した走者を背負っての投球。

そんな、場面でのことです。

フルカウントから投じた速球に、相手バッターがスイングしなんとか当てますが、打球は力なくピッチャーフライ。

上野が捕って素早く一塁に送球しダブルプレーに。

そんな上野の顔には、ダブルプレーの嬉しさとは別の驚きのような笑顔が…

なんと、相手バッターのバットをへし折ったのです。

ソフトボールって木のバットじゃないんですよね。

金属ってか、カーボン製のバット。

それにしてもバットを折るとは、凄まじい球威です。

上野がバットを折ったのは実は2回目。

2006年、世界女子ソフトボール選手権大会のギリシャ戦でも折っていたそうです。

すごすぎやろ…

 

相手投手も負けず劣らず素晴らしい

カナダの先発グロンウェゲン投手も好投手でした。

  • 球威
  • コントロール
  • 緩急
  • 変化球

素晴らしい。

日本が打ちあぐねるのも納得の投球です。

そして守備も堅い。

そんな息詰まる投手戦に上野も負けじとスコアボードに0を並べます。

上野から後藤へ継投

力投の上野から後藤への継投。

いや本当にナイスピッチでした!

そしてこれが噂の「若いピッチャーがすげーぞ。」ってやつか。

サウスポーの20歳。 

第一印象は、サングラスがエリックガニエみたいでカッケーなと。

この後藤選手の投球がこれまた素晴らしかった。

 

球も速いが、コントロールが正確。

「球のキレ」が良い。

球のキレって具体的になんやねんって声が聞こえてきそうですが、私は「コントロールの良い球」だと思っています。

  1. コントロールが良い
  2. 狙ったところに投げられている
  3. 頭でイメージした動きが体とシンクロしている
  4. 球に理想的な力の伝え方ができている

だと考えているからです。(素人の思考です)

 

そんなことはどうでもいいんですが、この「キレのある球」で三振を取りまくります。

7回表を三者連続三振。

裏のサヨナラに向けて完璧な投球で弾みをつけます。

 

7回裏に日本サヨナラのチャンス

三者連続三振の流れをそのままに、守りの硬かったカナダにミスもあって一死満塁。日本は絶好のサヨナラのチャンスを迎えます。

一死満塁サヨナラのチャンスは2番市口選手。

良いあたりでしたがセカンドライナーで二死満塁。

なんか嫌な流れ…

続いて、打席には3番内藤選手。

際どいコースにしっかりと食らいつき、三振してもおかしくないようなコースの素晴らしい投球を、これまた素晴らしい技術と執念でカットします。

そして8球目…

球威に押されたか、残念ながらファースト内野フライに打ち取られアウト

押し出しでもサヨナラになる場面で、カナダのローリー投手もナイスピッチでした。

いや、本当に名勝負。

でも、すげー嫌な流れ。

 

それでも後藤は全く動じない

チャンスを作りながらも決めきれない日本。

そして延長タイブレーク(無死2塁から始まる)。

相手のエラーに付け込めなかった…これはマジで嫌な流れです。

 

ところが20歳の後藤投手は、前の回以上のピッチングを魅せ、あっさりと三者連続三振前の回から六者連続三振をやってのけます。

「タイブレークのランナーなんて三振取れば関係ないでしょ?」バリの圧巻の投球。

すごすぎ。

 

運命はキャプテンのバットに託された

後藤投手の好投に応えるべく、日本はその裏に再びチャンスを迎えます。

タイブレークは、裏の方が基本的には有利。

相手の得点に合わせて作戦を変えられるからです。

 

表のカナダは無失点だったので、裏の日本は一点さえとれば勝利の場面。

4番の山本がしっかりと送りバントを成功させ、一死満塁。

1点入ればサヨナラの場面ですから、故意四球(敬遠)2つで1死満塁の場面が再び訪れます。。

打席にはキャプテンの山田選手。

イチローを彷彿とさせるフォームから、3球目を狙いすましてセンター前に運び見事サヨナラ勝ちをおさめます。

俺的MVPは上野投手

後藤投手はもちろん良かった。

2番の市口選手はシングルヒットにセーフティバントの2安打と盗塁でしっかりと相手にプレッシャーを。

キャッチャーの我妻選手は強肩で盗塁を刺して上野を援護。

サヨナラタイムリーの山田キャプテンも、もちろん素晴らしかったです。

でも、カナダも本当に良いチームでした。

日本もカナダもすごく良いプレーが多くて、点差以上に面白いナイスゲームでした。

そんな中、やっぱり印象に残ったのは上野投手。

39歳の投手が躍動するって本当に素敵でした。

なぜなら、私が39歳のおっさんだからです。

俺も頑張らないとな。

7月27日 20時から女子ソフトボール決勝はじまります

がんばれ!女子ソフトボール!

がんばれニッポン!

追記:金メダル獲得!

見事にアメリカを破って金メダルを獲得しました!

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